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小学校のプログラミング教育とその背景

情報・プログラミング教育の状況

2020 年度からの小学校におけるプログラミング教育が必修化されました。

さらには、大学入試の共通テストの 2025 年度入試から「情報 I」が新たに追加されました。 国立大学のうち 97% が「情報 I」を必須としています。 (河合塾の大学入試情報サイト より)

「小学校でプログラミングが始まるらしいよ」と聞いた方も増えてきたと思います。 その背景は何なのでしょうか?

背景は「学習指導要領」の改定

2017 年、2018 年に「学習指導要領」が改定されました。

「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。およそ10年に1度、改訂しています。 子供たちの教科書や時間割は、これを基に作られています。 (文部科学省 - 「学習指導要領」とは? より

今回 2017 年の改定に対し、下のスケジュールのように小学校では 2020 年から新カリキュラムが開始しています。

スケジュール

改定ポイントの 1 つがプログラミング教育

新しい小学校の学習指導要領の「総則」でプログラミング教育の実施と学習評価が明記されています。 総則はすべて児童生徒に確実に指導する必要があることを示すものです。

そのため、今後、小学校のカリキュラムに組み込まれていくことでしょう。

具体的な改定ポイントは?

改訂のポイントのうち、「その他の重要事項」に「情報活用能力(プログラミング教育を含む)」があります。 具体的には以下の2点です。

  • コンピュータ等を活用した学習活動の充実(各教科等)
  • コンピュータでの文字入力等の習得、プログラミング的思考の育成(小:総則、各教科等(算数、理科、総合的な学習の時間など))

教科ではなく総合的な学習の一部

国語や算数、音楽のようにプログラミングという教科ができるわけではありません

学習指導要領では、プログラミングを含む情報活用の能力を、学習の基礎となる資質や能力としています。 そのために、教科横断的な視点からカリキュラムを組むよう指導しています。

このことから、単純なプログラミングという授業ではなく、各教科の授業の一部としてプログラミング教育が組み込まれることでしょう。 もしくは、総合教育として、プログラミング教育をしつつ、理科や算数の問題を解いたり、理解を深める授業になります。

学習指導要領には具体的な教育内容は書かれてません。 ただ一つ、例として、6 年生で習う「物質・エネルギー」で電気の性質や働きを利用した道具としてプログラミングを体験する学習活動が提案されています。 おそらく、電子工作の一部でプログラミングすることを想定しています。

とはいえ、プログラミングは教科ではないので、各小学校ごとに取り組み方にはバラツキがでるでしょう。 積極的に授業に取り入れる学校もあれば、簡単なプログラミングを動かして終わる学校もあります。

文部科学省がプログラミング教育に期待すること

学習指導要領には「プログラミングを体験しながらコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付ける」と書かれています。

論理的思考は仕事をしていくうえで非常に大切です。 いろんな問題解決する際に、論理的に考え答えを導き出すか、仕事やビジネスはこの積み重ねです。 入社1,2年目の教育として論理的な思考法を教育カリキュラムに組み込んでいる企業は多いです。

また、プログラミング教育を通じて、昨今のクラウドサービスや AI などの外部環境の変化への対応も期待されています。

まとめ

小学校におけるプログラミング教育が必修となりました。 大学入試でも情報が必須となってきており、小学校のプログラミング教育は重要なポイントです。

とはいえ、学習指導要領はあくまでも基準であり対応は各小学校で考えていくことになります。 また、制度が変わった直後は各小学校も情報が少なく取り組みにはバラツキがでることでしょう。

  • 子供がプログラミング教育についていけるか不安
  • 通っている小学校がプログラミング教育に力を入れていなくて不安

という方は、自己学習することをおすすめします。

本サイトでは小学生向けのプログラミング言語であるスクラッチの情報も発信しているので、ぜひ参考に自己学習してみてください。

以上です。